大阪の選挙に思う

昨日投開票された大阪府知事選と大阪市長選。 結果は、大方の予想通り大阪維新の会の両候補の勝利となった。

確かに、今回の結果は多くの有権者の心を引き付けた結果であり、 選挙を通じて示された民意は尊重されるべきだ。

しかし、一方で、 今回の選挙の結果が「大阪都構想」や「教育基本条例」など、 大阪維新の会の政策的コンテンツに対する支持であったのかどうかは疑問に感じざるを得ない。

むしろ、橋下徹という一人のカリスマに対する期待感の現れであると同時に、 現在の社会の閉塞感を象徴するような結果だと思わざるを得ないのだ。

もちろん、 民主主義社会の大前提として、 「選挙での勝利したものの主張が認められた」というロジックを否定はできない。

それでも、今回の結果から「危うさ」や「怖さ」を感じてしまうのは何故だろう。

果たして、破壊者なのか創造主なのか。 今後そのことが問われることは間違いない。

これから、関西広域連合への参加等をめぐり様々な論議が必要になってくるだろう。 その意味では、私たち京都府の立場としても決して人ごとではない。 そうした中で、一つ一つの具体的な動きをしっかり見つめていきたいと思う。

国の出先機関改革の推進について

野田佳彦首相が、
「20日、首相官邸で開いた地域主権戦略会議で、
国の出先機関の地方移管について『来年の通常国会に法案を出していきたい』
と明言した。」
との記事が各紙で報じられている。

首相は地域主権戦略会議の冒頭、
国の出先機関の見直しについて
「東日本大震災以降、あまり準備が進んでいないように聞いている。
この会議を機に進めていきたい」と強調したという。

京都府議会9月定例会でも関西広域連合議会でも、これまでから
国土交通省の地方整備局、経済産業省の経済産業局、環境省の地方環境事務所の
3機関の移管を求めてきた。
新政権になって、
すでに閣議決定している、
「国の出先機関については原則廃止」という方向に対して
後ろ向きなのではないかという声が出されていただけに、
今回の首相の明言には期待したいと思う。

私自身も、
先般の土曜日に行われた民主党本部の全国幹事長会議において、

「民主党の国会議員も結局は本気で地方分権をするつもりがないんだろう」
という見方が地方を中心に起こっている現実、
本気であるならば来年度の通常国会への法案提出を含め、
「出来ない理由をあげつらうのではなく、どうすれば課題を解決できるのか」という
前向きな議論を進めてほしいと発言をした経過がある。

その意味では、その声が届いたかどうかは別にして、
首相が前向きな発言をしていただいたことを嬉しく思う。

許されない!

乙訓土木事務所から報告があったのだが、
管内の府道伏見柳谷高槻線(長岡京市から高槻に抜ける山中)の
道路側溝の蓋(グレーチング蓋)が盗難されたという。

その数47枚(1枚1mだそうなので47m分)。

一時期、クズ鉄の価格が上昇しているという理由で
各地で同様の盗難事件が頻発していたのを記憶しているが
また同様の盗難が府内でも多発しているらしい。

気をつけなければならないわけだが、
パトロールをするにしてももちろん費用のかかる話。

その意味では、物がなくなり再度設置するという直接的被害だけではなく
それに付随する様々な費用がかかるという点で大変罪深い行為。
社会全体での損失は計り知れない。

決して許されることではない。

新内閣に思う

新しい野田内閣が動き始めた。

派手さがないとか実力不足などとの批判もあるようだが、
新体制でのこれからの動きに期待をしたいし、
今週末の各種世論調査での評価も概ね好意的だといえる。

そうした中で一点、残念に思う人事がある。

総務大臣の人事だ。

新しく就任された川端達夫大臣がダメなわけでは決してない。

ただ、
これまで菅政権で総務大臣を務めてこられた片山善博氏には
さらに頑張っていただきたかったと思う。

片山氏については言うまでもなく
鳥取県知事を2期務められ、地方自治の現場で様々な改革を実現してこられた。

この間の京都府や関西広域連合など地方として求めてきた国の出先機関改革も
各省庁の抵抗を押さえながら積極的に進めてこられたとの報告を受けていただけに、
もう少しその仕事を続けていただきたかった。

もちろん、新しい川端大臣にも大きな期待を寄せたいと思う。

地方分権を推進するには国の省庁だけでなく国会議員の意識も変わらなければならない。
つまり、その実現には、
そうした抵抗をはねのけてでも実現を図っていくという内閣としての強い意志と求心力が求められる。

口先だけでの分権改革はもう必要ない。
その実現に向けた手腕に大きく期待をしたい。

汚染餌の肉牛問題

福島県浅川町の農家から出荷された牛の餌から
高濃度の放射性セシウムが検出された問題で、
出荷された牛肉が長岡京市内で消費されていたことが判明した。

横浜市保健所からの依頼で乙訓保健所が調査したところ、
横浜市内の仲卸業者から向日市内の卸業者が85.4kgの肉を入荷。
その後、長岡京市の飲食店1店に出荷され、
5月3日から21日の間に既にすべて消費されている。

今回の問題について、乙訓保健所では相談窓口が設置された。
電話番号 075-933-1241

京都府立医大の専門家からは、
「汚染の程度は分からないので確かなことは言えないが、
他の事例から考えて、一般的には今回の流通ルートは広がりが無く、
流通量から見て影響は極めて低いと思われる。」
というコメントが付されている。

また、本日付の日本経済新聞の朝刊には下記のような記事が出ている。

「仮に食べても人体影響ない」厚労省見解

  セシウムを含む稲わらを餌とした肉用牛の流通が発覚しているが、
放射性セシウムの暫定規制値は1キログラム当たり500ベクレル。
  内閣府の食品安全委員会によると、1キログラム食べたとしても人体への影響は0.008ミリシーベルト。
  これまで出荷された問題の牛では、最大で暫定規制値の約8倍の放射性セシウムが牛肉から検出されたが、
1キログラム食べたとしても東京からニューヨークに航空機で片道移動した際に浴びる放射線量(約0.1ミリシーベルト)に満たない。
 こうしたことから厚生労働省は「暫定規制値は安全のために低いレベルに設定している。
現在判明している放射線量では、仮に食べたとしても人体に影響が出るレベルではない」としている。
(以上)
今回の件からも、牛肉の流通についてはかなり詳細まで状況把握がなされている。
そうした意味でも、現時点では冷静に対応するべきではないかと思う。